2016年度 世界情勢・ここに注目! 
〜イスラームの世界では今何が起こっているのか〜

 新聞やテレビではなかなか知ることの出来ない世界情勢を専門家の視点からわかりやすく解説していただけると好評の「世界情勢 ここに注目!」が2016年度も開催されました。今回は〜イスラームの世界では今何が起こっているのか〜という主題で京都外国語大学教授であり、国際言語平和研究所所長や日本イスラーム協会理事もされている堀川 徹先生に講演していただきました。
 1月28日(土)に行われた第1回講演は「イラクのモスルをめぐるIS掃討作戦」という題でお話をお聞きしました。
 2017年の新年早々に起きたイスタンブルのテロ事件を皮切りに、ISが生まれることになった歴史的背景やイスラーム世界の精神的バックグラウンドなど、多岐にわたるお話をお聞きしました。オスマン帝国のことから、第1次世界大戦後に中東に支配勢力を広げた英国、フランスによる地域の分断と支配。地理的にはチグリス河、ユーフラテス河に挟まれた古代から交通の要衝であったこと。また近年は、石油の発見などでモスル近郊の経済的な側面も変化したそうです。直接的には2003年のイラク戦争が外的要因となり、また国内に広がる貧困や不公正な為政者などが引き起こす幸福感のない国民生活などが内的要因となり、ISが生まれたそうです。かつてスペインから中央アジアまで広く勢力を誇っていたイスラーム勢力が、様々な要因でしいたげられ、溜まった不満のはけ口の一つがISとも言えそうです。
 イスラーム教の原点に帰るとしながらも、教えの解釈については、必ずしもイスラーム教に則っているとは言えず、彼らの理解を超えた残虐さなどは、私達の日常からは想像もつきません。同じアジアとは言え、西と東では全く違った状況ですが、人々の苦しい状況に思いを馳せると、少しは分ってくることもありそうです。
 2月4日(日)の第2回講演では長い間内戦で揺れているシリアに焦点を当て、「シリア情勢とイスラーム諸勢力」という内容でお話をしていただきました。
 シリアもエジプトやチュニジアのように、「アラブの春」と呼ばれる民衆による抵抗運動が発生した国の一つですが、抵抗運動が内戦にまで発展してしまいました。その背景にある宗教的な問題を含めてわかりやすく話していただきました。イスラーム教の中にも宗派があり大きく分けるとスンナ派とシーア派があり、シリアでは人口の8割がスンナ派です。シリアのアサド大統領は、親子二代に亘って政治を行ってきましたが、アサド大統領は、少数派のシーア派の分派であるアラウィー派に属するそうです。アラウィー派はシリアの人口の12%程度です。シリアの内戦はアラウィー派(政府軍)と反政府勢力との闘いと言えるようです。イスラーム教でも少数派に属するアラウィー派が現政権であることに加え、アラウィー派が様々な面で優遇されている事がさらに内戦に油を注ぐ結果となっているそうです。反政府勢力には、「正当な反政府派」と言われる勢力に加え、ISなどのテロ組織も参入している上、ロシアは政府軍を擁護し、一方で欧米諸国は政府軍を非難するなど、諸外国の介入もあり、まだまだ混乱状態が続きそうな気配を感じました。最後にスクリーンに映されたのが「シリア難民」の写真でした。写真を見てアメリカの入国禁止令の事が頭をよぎりました。宗教とか諸外国の絡みは確かにあるとは思いますが、国民の苦しみ、悲しみを考えれば一日も早く平和が訪れることを願うばかりです。
 アラビア文字をボードにサラサラと書いていかれる堀川先生は、知識の宝庫といった感じで、次々と飛び出す貴重なイスラームの情報をお聞きすることが出来ました。



びょうき、しゅっさん、こそだて、がっこう、てつづき



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