難民問題の基礎知識
 ~難民ってどんな人たち?~

講師:中尾 秀一氏  11月18日 市民交流センター大 会議室

 KIFA設立25周年記念講演会のテーマは、時代のキーワードの一つである「難民」。
 講師は、政府の委託のもと難民の方の定住促進をサポートする「アジア福祉教育財団難民事業本部」関西支部長代行の中尾秀一さんです。

 難民ってどんな人たち?実は「唯一絶対の難民の定義はないんです」という前提のうえで、中尾先生は難民を表す3つのポイントを教えてくださいました。<迫害><国外><保護なし>の3つです。ここでワークショップのケースを例にご紹介します。「政府を批判する新聞を発行したために弾圧を受け、国外へ逃れた人」これは難民に当てはまるでしょうか。答えは〇。政治的な<迫害>を受け、自国で<保護>が受けられず(または望まず)、<国外>へ逃れたからです。では、「自国が貧しく慢性的に食料が不足しているため、よりよい暮らしを求めて外国へ移った人」はどうでしょう。これは<迫害>を受けたわけではないため難民には当てはまらず、移民と呼ばれます。なお、原則では戦争で逃れてきた人は難民からは外れますが、現在は「迫害」のほか「武力紛争」から逃れてきた人も難民と捉えられます。
 続いてのワークショップでは、各テーブルを1つの家族とみなし、「難民として逃げるなら何を持っていく?」かを考えてもらいました。多く挙がった答えは、現金、食料、水、貴金属、薬など。情報収集用のラジオや携帯・スマホという意見もありました。これも唯一の正解はなく、実際に持って逃げるものは家族構成や紛争状態の長さ、季節などによって様々だそうです。先生のお話によると、「飲み水は重くて持ち歩けないので現地調達が基本」「父親は畑を守るため家に残り、母子だけで他国に逃れる家族も多い」など、過酷な実情がうかがえました。
 日本には今、約12,000人の難民の方が暮らしています。その多くは、社会主義体制への移行時代にベトナム、ラオス、カンボジアから逃れてきたインドシナ難民です。現在も様々な国の人が受け入れを求め、2016年の1年間で日本に難民申請した人の数は約1万人にのぼりますが、認定者は30人足らずです。認定率があまりに低いこと、申請から1次審査だけで平均8.5ヶ月かかることなど、多くの課題があります。また、認定されるとRHQ支援センターで4ヶ月の日本語教育を受け、種々のサポートのもとで定住を目指しますが、住居や働き口を見つけるのは簡単ではありません。難民サポートの最前線にいる中尾先生のお話からは、状況が少しでも改善されてほしいという気持ちが伝わってきました。
 1970年代、当初は一時滞在しか認めなかったインドシナ難民を日本政府が受け入れ始めた背景には、国内で「難民を受け入れよう」という声が高まったことが大きかったそうです。ところが今、「シリア難民を受け入れよう」という声はなかなか聞こえてきません。もし現代の難民問題についても日本国内で関心や共感が高まれば、支援に向けて発展があるのではないでしょうか。
 今回の講演会は「くろまろ塾認定講座」でもあり、会場にはくろまろ塾手帳を持った方の姿も。ワークショップは盛り上がり、質問も活発で「学びたい」「難民について理解を深めたい」という意欲にあふれた講演会となりました。



びょうき、しゅっさん、こそだて、がっこう、てつづき



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