日本語ボランティア講座

2019年2月2日(土)
2月16日(土)
市民交流センター 大会議室

 
 今年度の第2回から第4回の日本語ボランティアの講座は、(財)海外産業人材育成協会関西研修センターから矢谷久美子先生をお迎えしました。 2月2日の第3回と2月16日の第4回の様子をお伝えします。

「日本語が話せない人との
 コミュニケーションの取り方」

 〜日本語は何が難しい?/やさしい日本語〜

■語彙の多い日本語
 日本国内でコミュニケーションを取ろうとするとき、基本はやはり日本語です。私たちにとっては、非常に便利な日本語に注目。矢谷先生のご指摘でまず気付かされるのは、日本語の言葉の種類の多様性です。例えば旅行に行って泊まるところは「ホテル」「旅館」「宿」と3種類以上あります。それぞれ、表すものが少しずつ違っていて、日本人はちゃんと使い分けています。そのため、学習者が覚えなくてはいけない言葉の数はとても多いのです。外国人が社会人として生きていくために必要な単語の数が、英語では約600語だそうですが、日本語ではなんと約10,000語!
 話す相手や場面によって文のスタイルも違います。「行きますか?」と聞く場合、地位の高い人には「行かれますか?」家族や友人には「行く?」を使うなど、尊敬語は、日本人でも難しいですね。
 また、日本人の特徴である、物事をはっきりと言わない言い方は、外国人にはとても伝わりにくいそうです。「この椅子使ってもいいですか?」と聞いて、「あ、それはちょっと…」と言われれば、日本人なら「あ、だめなんだ」と察しますが、外国人は「ちょっとどうなんだろう」と続きを待ちます。また、日本人は、ソフトに言うために全然違っているときでも「ちょっと違います」などといいます。また、話すときしか使わない言葉も難しいそうです。「準備しといてね」「間違えちゃった」「それはあかんわ」などですが、それぞれ「準備しておいてください」「間違えてしまった」「それはだめです」などと言う方が伝わるそうです。
■「やさしい日本語」は難しい?
 矢谷先生にいろいろ日本語のことを教えていただいたあと、実践編でやさしい日本語に言い換える練習をしました。グループごとに「のし袋」をどう説明するかに取り組みました。分かりきったものを易しく説明しようとするとかなり難しく、各グループとも頭を悩ませました。日本語を習い始めて間もない人には、「これは袋です。お金を入れます。あげます。おめでとうございます。」で理解してもらえるとか。簡潔に言ってあげることが重要だそうです。その上で、はっきり、ゆっくり、区切って話します。 「週に一回」を区切らずに言うと「週二回」と聞き取ってしまう外国人が多いそうです。「週に、一回」と文節で区切って話すとわかりやすい。
 「相手のことを思って、思いやりを持って伝えてあげてください」と矢谷先生は講演を締めくくられました。

本当に言いたいことが
日本語で言える活動を。
お互いのことを知り合いながら、
日本語力を伸ばしていける活動を。


「楽しく話題を広げたい」
     ~対話中心の活動のすすめ~

 テキストに頼らない対話中心の活動には、「本物のコミュニケーションができ、学習者にとって貴重な会話の場がつくれる」「型にはまった指導ではなく、参加者全員が対等な立場で情報交換でき、互いの気づきも増える」というメリットがあります。矢谷先生から、すぐにも実践できる対話中心の活動を教えていただきました。

■支援者の姿勢
 対話中心の活動では、相手に関心を持ち、相手を理解しようとする姿勢が大切です。「言葉で言葉を伝えるほど難しいことはありません」と矢谷先生。絵やジェスチャーも使いながら、どうすれば伝わるかを模索しましょう。学習者の話を熱心に聴き、言葉がなかなか出ないときには、すぐ先回りせず「待つ」ことも大切。相手の話そうという気持ちを尊重して、じっくり待ってあげてください。
■入門期にぴったりマスターテクストアプローチ
 地域の日本語教室には、日本語が全く話せない学習者が来ることもあります。そういった「入門期」の学習者にもOKな対話中心の活動として、「マスターテクストアプローチ」があります。マスターテクストとは、モデル文のこと。モデル文をひたすら真似て繰り返すことで、自分の話に発展させる学習法です。例えば、「わたしは毎朝7時に朝ご飯を食べます。いつもパンを食べます・・・」といったモデル文があり、学習者はこれを何度も声に出して読みます。文法がわからない学習者でも、30分ほど繰り返すと暗唱できるようになります。次のステップでは、支援者が学習者にモデル文にもとづく質問をします。学習者はモデル文が頭に入っているので、日本語で答えることができます。すると学習者は、もう自分のことが言いたくてうずうずしてくるんだとか。次のステップで、「あなたは毎朝、朝ご飯を食べますか?」「何を食べますか?」と質問されると、モデル文をアレンジして自分自身のことを日本語で話せる、というわけです。このマスターテクストアプローチを一ヶ月も続ければ、ほとんど日本語がわからなかった入門期の学習者でも、ある程度まとまった文が喋れるようになります。学習者本人はもちろん、支援者も嬉しい瞬間です。
■初級者向け 話題の広げ方
 日本語に慣れてきた初級者の学習では、話題を広げて学習者の話を引き出すことが大切になってきます。『日本語おしゃべりのたね』という、色々な話題のネタが載っている本を活用するほか、学習者との会話の中で話題を広げていきたいものです。盛り上がりやすいのが、「食」の話。誰にとっても関心のある話題ですし、同じ地域に住む者同士だからこその情報交換ができます。また、レシートを活用する方法では、「よく行くスーパー」の話から始まり、「〇〇が安い」「最近△△にはまっていて……」など、話題がどんどん広がります。

 矢谷先生から、地域の日本語支援活動をするうえで大切なことをたくさん教えていただきました。「これを機に、ぜひ日本語ボランティアを始めてみてください。楽しいです!」と、笑顔のエールでしめくくられました。



びょうき、しゅっさん、こそだて、がっこう、てつづき



年会費

■個人会員
 ・一般:2,000円
 ・学生(高校生を除く):1,000円
■高校生:無料
■家族会員  3,000円
■団体会員 10,000円

河内長野市国際交流協会

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